カッコイイオトコ
一気に顔が青ざめていく。

こんな足じゃ、家まで帰れないよ……どうしよう……。

「マユさん、ちょっとすみません」

「はい?」

ハルヒコくんに声をかけられて顔を上げると。

ふわりと、私の体が宙に浮いた。

アレッ?

何が起きたの?

不思議に思っていると。

「タカさん、すみませんが車出してもらえますか」

ハルヒコくんの声がすぐ上から降ってきた。

「おう、ちょっと待ってろよ。お嬢ちゃん、病院連れてってやるからな。ちょっとコイツと待っててくれ」

タカさん?

ああ、黒豚……イヤイヤ、ちょっと太ったお兄さんのこと?

ハルヒコくん、そのタカさんと知り合い?

と、顔を上げると……。

すぐ目の前にハルヒコくんの綺麗な顔が!

あ、あれ……も、もしかしてこれは……

お、お姫様抱っこってヤツですか──!?

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