生徒だけど寮母やります!⁑
いや、ありがたい忠告ではある
しかし、もう私には何も関係のないことだ
それからも景は、雨に濡れた生徒へのタオルの支給に追われたり
濡れた床の掃除をしたりとテキパキ仕事をこなしていた
また雨はというと、いっそう強くなるばかりで、この大量の雨が周りを湖にしてしまうのではないかと感じるほどだった
「いやぁ、まいっちゃうね、こんな雨が降るなんて」
寮母用の休憩室でそうぼやいたのは、副寮母長の山村さんだった
「だって本当よね、久々よね、こんな大きな台風」
その言葉に、ママや他の寮母も「そうね」と声を上げる
何事もなく、このまま台風には去っていただきたい
皆、そんな面持ちで頷いていた
「まぁ、とりあえず夕飯の支度をしましょうか。ご飯は無事届いてるから」
そうだ。それよりも寮母の仕事はまだまだある
しかし、空気を明るくシャキッとさせるようママが言った一言に、別の寮母が反応した
「そのことなんだけどね、男子寮と女子寮にはちゃんと夕飯は届いたらしいんだけど、男子寮Bには届いてないんですって」
え............
......な、なんで!?
「どうして?雨だから?」
私の気持ちを代弁するようにママが尋ね、顔を曇らせる
「そう。男子寮と女子寮に届け終えた後に急に台風がひどくなったらしくて。確かに私も、さすがにこの雨の中運ぶのは無理だと思うわ」
「そうね......かなり危険よね。男子寮Bの子達には食事を届けれないこと、連絡したのよね?」
「ええ、調理棟の方でしてくれたみたい」
私は二人の会話を聞いて窓の外を見あげた
B寮の食事はいつも、調理棟からワゴンで運ばれてくることになっている
しかし、この雨と強風の中運ぶのは危険だ
言っていることは重々理解できる
でもそれじゃあ......男子寮Bの皆は、寮にあるあり合わせのもので腹を満たす他無いってこと......?
ちょっと可哀想だな
やはり男子寮Bのことを我が寮のごとく考えてしまう自分に少し苦笑しながら
私は夕飯の準備に取り掛かろうと、腰にエプロンを巻いた
寮母用休憩室の電話が鳴ったのは、その2時間後のことだった
しかし、もう私には何も関係のないことだ
それからも景は、雨に濡れた生徒へのタオルの支給に追われたり
濡れた床の掃除をしたりとテキパキ仕事をこなしていた
また雨はというと、いっそう強くなるばかりで、この大量の雨が周りを湖にしてしまうのではないかと感じるほどだった
「いやぁ、まいっちゃうね、こんな雨が降るなんて」
寮母用の休憩室でそうぼやいたのは、副寮母長の山村さんだった
「だって本当よね、久々よね、こんな大きな台風」
その言葉に、ママや他の寮母も「そうね」と声を上げる
何事もなく、このまま台風には去っていただきたい
皆、そんな面持ちで頷いていた
「まぁ、とりあえず夕飯の支度をしましょうか。ご飯は無事届いてるから」
そうだ。それよりも寮母の仕事はまだまだある
しかし、空気を明るくシャキッとさせるようママが言った一言に、別の寮母が反応した
「そのことなんだけどね、男子寮と女子寮にはちゃんと夕飯は届いたらしいんだけど、男子寮Bには届いてないんですって」
え............
......な、なんで!?
「どうして?雨だから?」
私の気持ちを代弁するようにママが尋ね、顔を曇らせる
「そう。男子寮と女子寮に届け終えた後に急に台風がひどくなったらしくて。確かに私も、さすがにこの雨の中運ぶのは無理だと思うわ」
「そうね......かなり危険よね。男子寮Bの子達には食事を届けれないこと、連絡したのよね?」
「ええ、調理棟の方でしてくれたみたい」
私は二人の会話を聞いて窓の外を見あげた
B寮の食事はいつも、調理棟からワゴンで運ばれてくることになっている
しかし、この雨と強風の中運ぶのは危険だ
言っていることは重々理解できる
でもそれじゃあ......男子寮Bの皆は、寮にあるあり合わせのもので腹を満たす他無いってこと......?
ちょっと可哀想だな
やはり男子寮Bのことを我が寮のごとく考えてしまう自分に少し苦笑しながら
私は夕飯の準備に取り掛かろうと、腰にエプロンを巻いた
寮母用休憩室の電話が鳴ったのは、その2時間後のことだった