生徒だけど寮母やります!⁑


申し訳なさそうに謝ってからはにかむ景の頭を返事代わりにそっと撫で、結斗は体を起こした


「毎回景ちゃんに起こしてもらえたら、気持ち良く起きれるんだけどね」


こういう時、結斗は自分をからかっているのか本気で言っているのかよく分からない


だからあまり軽くそういうことを言わないで欲しいのだけど


そう思いながらも景は、毎朝結斗を起こす自分を想像してから首を振った


もしそんなことをしたら......


「それは......私がドキドキしちゃうからダメ!」


景が力強くそう言うと、結斗は微笑んで景を見つめたまま数秒固まった


景は自分でも、今のは少し誤解を与える言い方だったかもしれないと思う


「結斗......?」


固まる結斗に景が苦笑いすると、彼は口元に手を当てて深呼吸をし始めた


ー心臓に悪い......!


そんな結斗の心の声など知らず、景は少し恥ずかしそうに結斗を見あげ、焦って力説する


「だって結斗の寝顔ってすっごく綺麗だし......美人だし......お人形みたいで......羨ましいっていうか......」



「............さすが景ちゃんだ」

そんなところだろうとは思ったけど、ちょっと期待しちゃったよね


でもそこがまた、彼女らしい


「別に綺麗なんかじゃないよ」


結斗はどこか力が抜けたように笑うと、ベッドから降りて景の手を取った


「じゃあ......行こっか」


「......うん?」



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