生徒だけど寮母やります!⁑



その改まった言い方に、全員が市河を見る


「俺......」

「うん......?」


少し首を傾げて市河を見つめる景に、彼ははにかみながら言った



「俺、海老アレルギーなんで、そこよろしくお願いします」


「......市河君!」

「いっち!!」


じゃあ市河君は......

男子寮Bに来てくれる!!?


5人は驚いたように顔を見合わせると、市河が驚く勢いで彼に駆け寄った

「いっちーーー!」

咲夜がわしゃわしゃと市河の髪を触ると彼は嫌そうに、しかし嬉しそうに笑う

「わっ、やめろバカ、髪がっ」


そんな光景を見ながら、景は微笑んだ


今後さらにこの寮が楽しくなりそうだ


「よろしく、いっちー」

結斗がニヤリと笑って市河に手を差し出す

それに続いてライにも「ん」と手を差し出され、市河は両手でそれぞれの手をとった


「......よろしく、結斗、ライ。それと......」

市河は2人の手を離して景の方へと歩むと、そっと手を差し出す


「えっと......景......?」


市河にはじめて恥ずかしそうに名前を呼ばれて、景は思わず笑みを浮かべた


「うん、よろしくね!えっと......」


差し出された手を取ったものの、なんと呼べばいいのか分からずドギマギする景

そんな彼女に

市河は笑ってこう言った


「下の名前で、ひなたって呼んでよ」




こうして

市河日向は男子寮Bの生徒となった

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