生徒だけど寮母やります!⁑



入学式が終わった


緊張がほどけ、ざわつく会場内を見渡す


向こうの方に、爽馬と咲夜は座ってるんだろう

なんて考えながら



「このあとはHRがあるみたい、一緒にクラス行こう?」


「は」


いきなり有姫がライの手を持って立ち上がった


「ほっとけよ」

「一人で行くなんてさみしいじゃない。せっかくだし一緒に、ね?」


有姫がそう言った後、ライがわたしの方を見る


つられて有姫も私を見た


「.........え、景ちゃん?どしたの?先、行ってていいよ?」


行ってていい、というか


行ってくれ


そんな目を向けられ私は苦笑いするしかなかった


「じゃ、あ、先、クラス行ってるね」


結局私はライを置いて、先に教室へ向かった



少し後ろめたくはあるけれど

そうするしかないような状況だったし


そう自分に言い聞かせながらも



モヤモヤした気持ちの自分がいた
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