生徒だけど寮母やります!⁑
『親戚全員が集まるのは夏と年明だけだろう、その時くらいは顔を出せ』
父にそう言われたことを思い出しながら、ライは深いため息をついた
今日は夏休み恒例の
火野家親戚一同が集まる日
つべこべ言われるのも面倒くさいし素直に帰省したわけだけど
親戚の顔なんて、別に見たくもなんともねーよ
テーブルを囲んで集まるの親戚たちの顔をライは冷めた目で見る
「うちの子も小学校ではうまくやれてるみたい。力の制御もちゃんと覚えたわよね」
「うん、ママー」
「久々に会ったらこんな大きくなっちゃって、びっくりね」
「ははは、隆太郎君だってもう大学生だもんなぁ。勉強の方はどうだい?」
いとこ家族や祖父母、楽しそうな親戚たち
しかし彼らは、火属性と雷属性の間に生まれた自分に、忌み子だからと幼い頃から軽蔑した視線を向けてきた
だから俺は、こんなところ別に来たくも何ともなかった
こんな時、あの寮に帰りたいと思う
景に会いたいと思う
結局、昼食会という名の雑談会はずるずると長引いて3時にお開きになった時
ライは何かから解放されたように、人のいない庭へと歩いていった