コミュニケーション
「芹沢くん?」

横を向いた彼がわからなくて、あたしは名前を呼んだ。

「なんて言うんだろうな…。

最初はさ、変わったヤツだって思ったんだよ。

俺のこと全然怖がらない物好きがいるもんだなって感じで」

横を向いたまま、芹沢くんが言った。

「いきなり好きだって言われて、最初は俺のことをからかっているのかと思ってた。

だけどそんな様子じゃなかったし…」

芹沢くんはあたしと目をあわせた。

「平岡のことを、好きになったんだって思った」
< 64 / 67 >

この作品をシェア

pagetop