あなたを待つ夜
優子が豊と付き合い始めて、早くも三か月が経とうとしていた。

彼との関係は以前よりも親密さを増したように思える。

二人で会える時間は仕事後のほんの数時間。

そして、たまにホテルか優子の部屋で一夜を過ごす。

そうやって豊と過ごす一秒一秒が優子にとってこの上ない幸せだった。

だから二人で会えない夜は部屋に籠ってとにかく泣いた。

来ないと分かっていながら彼を待つ夜は本当に辛いものだった。
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