特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
「俺、宮下さんのことがずっと気になってて。それでパン屋に通い詰めてたんだ。

……好きです。俺と…付き合ってもらえませんか?」

大原くんの顔、耳がとても赤くなっていた。

大原くんの言葉が嬉しくて。

これは…夢…??

ほっぺをつねっても普通に痛い。

ということは…現実…!?

こんな嬉しいことがある??


連絡取り合って、バイト後に会って話して、こうやって水族館に来て、っていうだけでも夢みたいに信じられなかったのに。

「本当…に…??」

やっと私の口から出た言葉。

「…本当だから。マジだから。」

「…!!!」

恥ずかしながらも、真剣な目で言う大原くんの言葉の意味をようやく理解できた。


「私…も…」

「え?」

「私も…いつの間にかよく買いに来てくれる大原くんのことが気になってたの。

…私も…好き…です。お願いします…。」

恥ずかしくて顔を上げられず、下を向きながら言った。


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