特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
「え…本当…に…??」

「本当だよ!…マジ…だよ!」

さっきの大原くんの言葉をそのまま返した。

「よっしゃ!…嬉しい!!!」

こんなに大喜びする大原くんを見たのは初めてだった。
少し顔が赤い。

「まじで嬉しいよ。改めて、これからよろしく。」

「こちらこそ、よろしね。」

私達は向かい合って微笑みあった。

「…なんか、夢みたい。」

「え?」

「あ…えっと…」


つい、思ったことを口にしていた。


「だって、まさか大原くんと両思いなんて…嬉しすぎて…。夢みたいだな、って。」

「それは俺だって。パン屋に通い詰めてまじで良かったよ。それ以上の行動に移せなかったけど、まさかこうやって想いを伝えることができて嬉しい。もう、今日言っておきたい、と思って。」


《女友達と男友達》から《彼女と彼氏》になった日だった。

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