calling
「俺が、亜妃ちゃんに
その…恋人の話をしたとき
俺に優しく手を繋いでくれて
こう言ってくれたよな?

『でも、好きなんですよね。
…その女性のこと。
恋人のこと許せないですか…?』

俺…とても不思議だけど…
あの時に気づいたんだ。

俺は恋人をもう好きじゃないし
許すことはできないって。」

相変わらず太陽はキラキラして
風が吹いていた。
その風をすぅっと吸って
すぅっと吐いた。

「昨夜…恋人に逢って
俺の気持ちを話したら

ごめんねって…泣き続けてた。」

それでも頭は少し混乱していた。

俊輔さんの言いたいことを…
内容を理解しようと会話を
心のなかで反芻していたら…

やっぱり混乱してくる。

俊輔さんはさっき…
私を好きだと言ってたから…。
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