calling
002
仕事の悩みはありふれていた。

逃げ出すほどではないけれど
逃げ出したくなる時もあって…

今日はそれに身を委ねた。

ランチ1時間と…ほんの1時間の
2時間の抵抗だったけれど
俊輔さんに出逢えたことで
心の中が軽くなって、温かくて、

もう、気になりだしていた。

背が高くて…短い髪で
きっとメガネが似合うキレ長の目。

唇も薄くて…肌がツルツルで

もしかしたら冷たい男性、
なのかもしれないと思った。

それでも…もっと逢いたくなる。

この恋はもしかしたら
恋じゃないかもしれない。

それを確かめるためにも。

キーボードを叩く手が少し弱まって
さっき、俊輔さんから貰った
名刺をそっと出してみた。

会社の住所は、
あの出逢った公園の…近くだ。
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