calling
腕時計を静かに観て
…私は会社に戻ることにした。

俊輔さんの名刺を
静かに片付けて…深呼吸をして。

高層ビルの中にあって
ビルのワンフロアを借りている
間仕切りの無い会社に戻って

俊輔さんの言うように
何も無かったかのように
静かにデスクに座って仕事をした。

会社には人が多すぎるせいか
私が2時間もランチをとったことも
どんな心境だったかも

誰にも何も問われなかった。

日光浴をしていたから
制服のシャツにはほんの少しだけ
太陽の匂いが染みついていた。

そんなことも気付かれず
ただ仕事を進めて行きながら
咎められないことにほっとした。

もちろんサボったことは
私自身の中で反省しているけれど

…また同じように働いている
少し悩んでいた私自身を

少しだけ愛らしく思えていた。
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