僕らのはなし。①


「パパ?ママ??
マコ??
…何これ!!」
家に着くと、家族を呼びながら急いで中に入った。

すると、見慣れぬ何か高級そうな家具や家電がリビング内を占領していた。
驚いて、叫んでしまう。

「「お帰り。」」
「どうしたのこれ?」
「お兄さんが送ってくれたんだ。」
思ってたよりのんきに出迎えた家族に、この家具たちはどうしたのか聞くと、マコがニコニコしながら答えた。

「お兄さんって?」
「伊崎のお兄さん。」
マコのお兄さんって言葉に引っ掛かり聞いてみると、そう答えた。

「はぁ…何処から突っ込めば良いのやら。」
「突然届いて、ママ達も吃驚。」
「業者さんが帰れないって言うから、とりあえず受け取ったけど、このまま貰っても良いものか。」
「駄目だよ。
家具は家にあるので事足りるし、置き場もないし。
私から引き取るよう話すから。」
困ったように言う、ママとパパ。
私は、何か貰い過ぎてる気がするし、必要ないと思ったのでそう言った。


「ホントにそれで良い?」
「俺、パソコンは欲しいなぁ。」
「持ってるでしょ?
どうしてもって言うならそのうち買ってあげるから。
だから、これは返そう。」
「そうね。」
可愛い笑顔でパソコンは欲しいというマコに言って聞かせ、両親も納得してくれた。


それで、私は今日聞いた伊崎達の放課後の溜まり場に向かった。







< 95 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop