SweetS Time ~君はマシュマロ~
いや。
最初はね、その笑顔がなぜ俺に向けられないのかと悩んだ日々もあったよ。
そんな俺も大人になってだな、新しい喜びをふたりの間に見つけたわけだ。

それは……。
美味しいスイーツを食べる理子の笑顔を楽しむ!

理子も嬉しい。俺も嬉しい。
一石二鳥!!

今日までは順調だったが……。

ん?
理子の肩に乗せていた俺の手から、じわじわと理子が離れていく。

「理子……?」

「えっと、食べよ!」

慌てた様子でテーブルにつく。
なんかやっぱりおかしくね?

納得いかないまま座る一樹は、疑惑の眼差しで理子の様子をうかがう。
一方の理子は、内心焦っていた。

一樹に触れられるのは好きだけど、今は触れられたくなかった。
落ち着いて、わたし。
いつも通り、いつも通りにするのよ。

はじめはぎこちなく食べていた理子も、スイーツの甘さには勝てず、大好きなスイーツに、いつしか夢中になった。美味しいね~なんていいながら幸せそうに食べる理子の様子に、一樹の気持ちもほぐれていく。
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