LoVendoЯ~あの日の約束~
「それを聞いて明日香ちゃんは
どうするの?」
えっ?どうするって...
「どうするとかじゃなくて、あたしは
今の蓮があまりにも昔の蓮と
違うから....」
「あれが蓮だよ。」
翔くんは真剣な顔をして言った。
「明日香ちゃんと蓮の間に
何があったのかは知らない。でも
今の蓮に昔の蓮を探すのは
やめてくれ」
翔くんの冷たい言葉は
蓮の言葉と同じくらい痛かった。
「翔くんの言いたいことも分かる。
昨日蓮にも言われたから。」
「でもね、そんな中途半端に蓮のこと
好きになったわけじゃないの。」
確かに昔の蓮を好きなのかもしれない。
「昔の蓮じゃなくて、蓮の存在が
あたしを支えてくれてたの。」
「友達としてでいい。それ以上は
何も望まないし、何も聞かない。
ただ、蓮のそばにいたいの...。」
好きになってなんて言わない。
あの頃の蓮に戻って欲しい
なんて言わない。
ただ、そばにいさせて...。
「はぁ。そこまで言うなら
俺は何も言わない。」
あたしの話を静かに聞いていた
翔くんはため息まじりに
そう言った。
「でも、覚悟しといたほうがいいよ?
蓮はそう簡単に手に入らないから」
最後に笑って教室を出ていった。
「ありがとう、翔くん!」
あたしは彼の背中に向かって叫んだ。
また今日から君への恋を始めます。