詐欺師の恋
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「制服で来るなって言ったよね?」



時刻は夜21:13


[Notte di Luna](ノッテ ディ ルーナ)の裏口から中に入ると、やや切れ長の目の男が、面倒そうに叱る。



「燈真…」



「仕方ないんだよね、未成年は立ち入り禁止なんだから。」




燈真はそう言いながら、壁に寄っかかって、咥えた煙草に火を着けた。




「とにかく、着替えて来なよ。」




「ん。」




素直に頷くと、少年は二階に繋がる階段に足を掛ける。



そこへ―




「あ!空生!来てたのか!!ぎゃはは!お前やっぱり髪黒いの?!すげぇ、マジで就活してんだ??」



「やめろよ、崇」



ケラケラと笑いたてる赤い髪の男の声がした。



燈真が諌めている。



空生は、はぁ、と溜め息を吐いてから、一度頭をぐしゃぐしゃと掻いて、振り返らずに階段を上った。




「ひでぇー無視かよ!」




ひどい、と言いながらも、全く気にしていないようで、崇はまた笑う。
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