海の花は雪・2
″シュッ″

と、火薬に火がつく音がして、打ち上げ花火が夜空に上がった。

勢い良く打ち上がる花火は、あざやかに咲いては消えていく…

「おぉ…!」

山形さんは立ち上がると、感嘆の声を上げた。

「キレイだね〜」

「うん…」

オレが言うと、深谷君がうなずいてくれた。

「まだまだ、これからですよ〜?」

十連発の花火が打ち終えると、ピクニックシートに座って見ていた修子ちゃんが楽しそうに言った。

「え?」

一時の静寂の後に、次の花火が打ち上がり始めた。

今度のはドラゴンという種類で、勢い良く火が滝のように噴出すると、次々に赤、青、緑と色を変えていく…

そして隣にも同じドラゴンを仕込んであったらしく、火が導火線を伝わって十個ほど並べられた花火に引火していくと、見事な火の滝が出来上がった。

「おぉ…!」

さすがにこの手の込んだ仕掛けには、自分も立ち上がって見とれてしまった。

「ナイアガラの滝みたいですね、高田さん」

山形さんが拍手して言った。
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