海の花は雪・2
「…それってつまり、フラれたって事ですよね〜?」

ほほほと、人の不幸を容赦なくエグッていく先生の笑顔は、天使のようだ…

修子ちゃん、言葉が胸に刺さるよっ!

「…やっぱり、そういう事?」

「ですね〜」

「先生、私にはいまいち良く分からないんですけど、彼女の言動が…」

オレのために用意してくれた麦茶と水ようかんを、ちゃぶ台に置くと高田さんも腰を下ろした。

「実に私には、分かりやすいんですけどね〜?何と言いますか、合理的と言うか、理系的発想と言いますか…」

修子ちゃんは、上品に水ようかんを口に運ぶと答えた。



夕闇迫る頃、オレが用務員室にかけ込むと…

用務員室には仕事を終えた高田さんと修子ちゃんが、お茶をしている所だった。

この状況を誰かに説明して欲しくて学校に戻ると、自然に足は用務員室へと向いていた。

深谷君がいないのは、不幸中の幸いだ…

こんな大人な話、深谷君には聞かせられない…ってか、聞かせたくない…
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