カレとカノジョの関係。




「…え」



「お願いっ!」




パンッと顔の前で両手を合わせる蘭子ちゃん。





「あ…う、うん。もちろん!」




大きく頷くと、蘭子ちゃんはパァッと花の咲いたような笑みを浮かべた。




「ほんと!?ありがとう!」



「いや、そんな…」




一誠と蘭子ちゃんを隣同士にアトラクションに座らせることくらい、お安い御用だ。



むしろ応援するって言ったんだからそれくらい…当然のこと。





「あたし…実は今日、希咲ちゃんと湊くんが一緒に来た時からずっと、不安だった」



「……えっ!?」




「遊園地に着いてからも、2人はすごく仲良しで、やっぱりあたしが入る隙間なんてないんだなぁと思ったり…」




「…蘭子ちゃん……」





…あたし何やってんだろ…蘭子ちゃんの気持ち知ってるくせに、何にも考えてなかった。





「…でも、2人がいくら仲良くても、あたしは湊くんが好きだから。だから頑張りたいんだ」





真っ直ぐ前を見て話す蘭子ちゃんが、なんだか眩しい。





「蘭子ちゃん…あたし…ぎゃっ」




「ぎゃっ、だって。色気ね〜」






急に頬に冷たい感触がして振り向くと、両手にジュースを持った一誠がいた。







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