カレとカノジョの関係。
「どっちが勝つんだろーねー」
緊迫した試合状況とは裏腹に、隣でのんびりと呟くのんちゃん。
「A組に勝ってもらわないと困るよ!」
あたしはハラハラしながら試合を見守る。
その時、
「うわっ…蜂!?」
後ろの方で誰かのそんな声。
どうやら体育館に蜂が入ってきたらしい。
ええ!?
あたし蜂だけは無理なの!刺すから!
「どこどこ!?」
そう、思わず後ろを振り向いた時だった。
「…っ高倉さん!危ない!!」
神谷くんの焦ったような声。
え、と前に視線を戻すと
あたしに向かって真っ直ぐ、ボールがすごい勢いで飛んでくるところだった。
…や、やばい…!
ぶつかる…!!!
もうすぐにくるであろう衝撃に備えて、ギュッと目をつぶると
グイッ…!
誰かに、強い力で引き寄せられた。