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「あ…!」

一番大事なモノを忘れていた。

こっそりパパの遺品の中からアルバムを取り出す。

ママはあまりパパの写真を見返したりはしない。

幼い頃はパパのことが嫌いになっちゃったんだって思っていた。

だけどママなりに前に踏み出す為だって分かってからは、あたしもアルバムを開くことはなかった。

あの日、悠耶さんとママから昔の話を聞くまでは…。

あの時見たアルバムには笑顔のパパで溢れていた。

パパはもういないけれど、せめてこういう状態になった今 パパには見守っていて欲しかった。

だから入院する時は絶対持っていこうて密かに決めていたのだ。

写真に写るパパは、ずっと若いままでかっこいい。

面食いのママが惚れちゃうのも分かる気がする。

どれがいいかなーとパラパラとページをめくっていくと、男の子を抱いたパパの写真を見つけた。

この子、誰…?

患者さんかな?

しかし次のページを捲り、言葉を失った。

その子を肩車するパパの横には悠耶さん。

ご丁寧に付箋も書かれていた。

『貴弘、初めての運動会』と…
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