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「昨日は甲斐くんとどうだったぁ?昇天しちゃいそうなくらい嬉しかったぁ?」

手術前日ということもあって強引に休みを取り、娘との時間を作ってくれたママ。

そう言うと響きはいいが、大物スクープを目の前にした記者みたく容赦ない質問が飛ぶ。

おまけにブラックジョークも炸裂だ。

「どうって別に…」

いくら平然を装っても頬だけは素直に赤らんでしまう。

「指輪も素敵じゃない?」

花火といい、筋書き通りに事が進んだことにニンマリな敏腕プロデューサー。

「…パパのなんでしょ?」

右手の薬指にはめられたパパの形見。

「恒輔も”甲斐くん経由で"絹に渡してもらったら、浮かばれるってもんよ」

今の台詞、引っかかるのは気にしすぎなだけかな。

ママ達が親友であること、パパの事故。

我が家と日向家を結ぶ点をまだ見逃しているような そんな気がする…

全てを見透かしたようにママは意味深な笑みをこぼす。

「絹、あんた 昔入院してた時のこと覚えてる?」

「うん、まぁ」

「『大好きな男の子』いたじゃない?覚えてる?」

本題を切り出したのは意外にもママからだった。
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