sEcrEt lovEr
★秘めたる恋心
ジュリが落ち着いたのを見届けた後、少年は祖父に呼ばれ 院長室へと向かった。

実質、一人しか使わないその部屋は応接間を備えているとは言え とてつもなく広い。

中には入ると書き物をしている白髪で顎髭を蓄えた老人の姿があった。

彼は優秀な下科医だが高齢のため 今ではほとんど現場には顔を出さないし、

伯父がその代理を務めているため、半数以上のスタッフが彼の顔を知らない。

(たとえすれ違っても気がつくのは古株の証拠だ)

今では彼の存在そのものがベールに包まれ、噂だけが独り歩きしている状態である。

しかしながら、かつての功績を知る者からの依頼は未だに後を絶たなかった。

老人は『ケヴィン・バートン』としてゆくゆくは孫を医学界デビューをさせることを企てていた。

だからこそ“今回の件”を許すわけにはいかなかったのだ。
< 200 / 233 >

この作品をシェア

pagetop