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「そっか… 何とか二人にしてやるから気持ち伝えろよ」

「え!無理だよ、告白なんて!」

十六年間未だかつて“告白”なんて大業を成し遂げたことがなかったあたしに?

今までで一番の無茶ぶりである。 本当、心臓に悪い…

「…お前がいつか言ってた“何かあった時の保険”これも適用だよな?」

パパさんのモデルを引き受ける際に、あたしは二人に向かって啖呵を切った、 「これは何かあった時の為」だと。

ドSの貴はそれを自業自得とでも言わんばかりにニヤリとほくそ笑む。

その時、ノック音がして噂の人物がお出ましになった。

「貴、珍しいじゃん?早起きできたんだね~」

「…それは宣戦布告と捉えていいわけ?」

地雷探知機の兄と時限発火装置の弟。

普段 家で繰り広げられていた兄弟げんか?がここでも見られるなんて…

「あんた達、いい加減にしなさい!ここ 病院でしょ?甲斐もからかわないの!」

先に爆発したのはその声を聞きつけた悠耶さん。それと…

「"大先生”、遊んでいていいんですかぁ~?」

甲ちゃんをからかうのは

「神谷先生…!」
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