sEcrEt lovEr
「…分かりますか?」

誰?

「バイタル頼むな」

「はい」

全身が痛い… 頭が重い…

私は再び意識を手放した。



次に目を覚ますと泣き顔の悠耶が視界に飛び込んできた。

「織依?良かったぁ~」

「… なん で?」

全く状況が読み込めない。

悠耶は怒っていたんじゃなかったの?何で泣いてるの?

「事故に遭って運ばれてきたんだ」

白衣を身にまとった“図書館の彼”がそこにはいた。

「君は本当に手間がかかる子だな…」

大きくて暖かい手が額を撫でる。

「…あたしのせいだね。こんな目に合わせてごめんね」

「ゆうや…」
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