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家に帰るとリビングには悠耶さんの姿があった。

「絹ちゃん、おかえり」

「悠耶さん… あのね… 」

声をかけたものの どう切り出していいのか困っていると、それを察してか悠耶さんから声をかけてくれた。

「貴から聞いたわ、ポスターのこと。びっくりしたでしょ?」

「うん…」

「あれやったのうちのダンナなの。まさか息子を売るとはね…。

今回ばかりは本当お手上げ…」

あたしがずっと踏み入れることができなかった日向家の領域。

それはまさに“父”のことだった。

うちみたいにもういないのかもしれない、もしくは離婚…

どちらにせよ、赤の他人が軽々しく踏み込んでいい話題ではない。

だから悠耶さんの話もあたしなんかが聞いていいものか躊躇した。

いつかは知るものだから… と、苦笑いをした悠耶さんの口から真実が語られる。

でもそれはあたしの想像以上に辛く悲しいものだった。
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