奥様のお仕事
美由紀さんの紹介カードをもらって美容院へ出かけた。
とうとう 正月まであとわずか・・・・・

身なりもきちんとしていかないと
浩一郎にも相談して 肩くらいまで髪を切ることにした。

「マリンならどんな髪型も似合うよ」


「相談してるの
実家へ行って 印象よく思われる髪型にして行く」


「はりきってるな~
臨時ボーナス狙いだな」


「そんな人のこと 金の亡者みたいに言わないで」


私は純粋な気持ちでいるのに
てか 気に入られたら この仕事の契約が切れるのか?


「正月はいろんな人が来て けっこう忙しいから
マリン 体力つけておけよ」


あの家族に気を使い 客人までくるなんて
マジに妻泣かせな お正月になりそう。


美容室なんてものには 全く初めての経験。
島では 美容院とは書いてあるけど 床屋さんみたいだったし

パーマなんてかけるつもりもなかったから
全然切りそろえてもらうだけで 用が足りた。


都会はすごいんだ・・・・・
地下鉄に乗って 4番出口を出て そこから・・・・


オシャレなビルの二階

「ご予約の長谷 マリン さまですね」


黒木なんだけど 美由紀さんが予約してくれたから
まさか苗字が違うなんて普通は思わないものね。
< 133 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop