奥様のお仕事
この仕事が成功するのかしないのか・・・・
上手くやって時給がアップするのか


この沈黙の中では何も見えてこない。


「とにかく 絶対に許さないからな
長谷の戸籍には入れない」

じいさんが口を開いた。


「戸籍?いや 事実婚だから」

浩一郎が笑った。


「何?事実婚?結婚のうちに入らないじゃないか
曖昧でだらしない関係だ」

父親が言った。


悔しいけど これはビジネスだから・・・・・・
本当に戸籍に入れられたら大変だもの・・・・・。


バツがついちゃう
まだ 二十歳なのに・・・・・・・。


「それじゃ 結婚だなんて言うな。
財産分与もない 法律的には同棲と変わらんだろ?」


「今はね・・・・・
この石頭たちに マリンを毒されたくないから
正々堂々とマリンが向き合えるようにそうしただけ」


うまくかわしてる・・・・・
浩一郎は 上手に嘘がつける男なんだと感心した。

「そのうち認めてもらうよ。
そしたら 正式に 長谷 マリン になってもらって
ちゃんと財産分与も法律的にも妻として認めてもらう」


「どうしちゃったの 浩・・・・・
そんなわけのわかんないこと言う子じゃなかったのに」
母親の声が震えてる。
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