奥様のお仕事
「家のために 一緒に生きていく人を決められるのは
絶対に勘弁してほしい。磯貝議員の娘といずれ
そうさせられると思ってたよ。
マリンのことを言わなかったのもこうやって
つぶしにかかるからね。全部計算してたよ」


「長男なんだぞ」


「いい年してさ 俺だって俺の考えあるし
別に家継がすなら 伸二郎や 何なら 美輝の旦那に
継がせる手もあるだろ?」


「そのためにおまえに教育をしてきた」


「ふふふ・・・・
マリンが言った言葉そのまま返すよ
子供は親を選べないからね」



「浩一郎!!!」
父親が声を荒げた。


「とにかく マリンは俺の妻になる。
紹介は済んだ 帰ろう マリン」


私の手を取った。


祖父のことをバカにした じいさん・・・・・
絶対 謝らせてやるから!!!


変な意地が私に沸いた。


「浩一郎を幸せにできるように頑張りますので
どうぞよろしくお願いします」

しっかり挨拶してやった。
宣戦布告!!!!


「かまうな すぐに別れる!!!
無理だ!!あんな派手な顔して 浩一郎には似合わない!!」

背中に罵声を浴びながら 泣きそうになる以上に
負けないからって力が湧いてきた。
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