こころの温度差
「わたしにとって、
この子らは大事な大事な宝物やからな。
せやから、
たかしの事も許せたのかもしれん。

でもアヤちゃんは、
のびのび自由に考えたらええんちゃうの?

もっといろんな人と付き合って、
いろんな経験したほうがええよ。
わたしこの子らが大きなったら、
絶対そういうふうに言うもん。」


ちえちゃんはおだやかに、
そして力強くそう言った。


玄関から大きな音がして、
りょう太が走りながら部屋に入ってくる。

「りょう太、手を洗ってからやって、
いつもいってるやろ。」

テーブルの上に置かれたトウモロコシに
さっそく手をだしたりょう太に、
ちえちゃんは、
怒っているのに優しくそう言った。

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