エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
沃野と裕也、そして女性が一人。

そこに自分とリサが加わって、「関係をはっきりさせる」ってどういうこと?

葵は話の意図がよく見えない。

「とりあえず座って」

沃野は2人に自分の並びの椅子をすすめる。

前回と同じく、物腰の柔らかいウェイターがメニューとお水を運んできた。

「何でも好きなもの頼んで。今日は裕也さんのゴチだから」

はいどうぞと、沃野がメニューをリサと葵の前に広げる。

「ふーん」と、リサは正面でさやかと並ぶ裕也をちらっとにらみ、「それじゃ、私は季節のスペシャルタルトとダージリン」と、テーブルの隣で笑みを浮かべてオーダーを待つウェイターに告げた。

葵が「私はコーヒーを」、と小さい声で頼むと、季節のスペシャルタルトとダージリンティーにコーヒーですねと、ウェイターは復唱してテーブルを離れた。
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