ひまわりの種
「痛い……」
鏡の前で自分の顔を見る。
明らかに腫れてる右頬。
「これじゃぁ、学校行けないや」
いや、行けないんじゃない。
きっとあの人が行かせてくれない。
もし、殴られた事がわかればあの人は余計に怒る。
怖い…。
ドンドンドンドン!!!
ドアの向こうを叩く音が聞こえて肩が跳ねる。
あの人だ…。行かなきゃ…。
「いつまで寝てんのよ!さっさと起きてご飯準備して!!」
「は、はい…!今行きます!!」
慌てて扉を開けると、大きな手が飛んできた。
パァン!!
乾いた音が耳に届くと、同時にあたしの右頬が痺れた。
「このクズ!!居候の分際で寝坊なんて良い度胸だ!美晴達が学校に遅れたらどうするのよ!!早くしなさい!!」
それだけ言うと部屋を出て行った。
腫れた頬が更に腫れ上がる。
痛いけど、行かなきゃ…。
重い足を上げて下へと降りることにした。