恋愛の神様


「知ってる。オマエの目論み通り大いにウケタ。ついでに疲れも眠気も一気に吹っ飛んじゃったから、責任取れよ。」

「で、でも、ご飯に……お風呂……」

「オマエ。」

「は?」


にやっと草賀さんが笑います。


「さっき聞いただろ?『飯』『風呂』『私』。だからチィちゃん、オーダー。」

「ぅぅ……こういう時頭の良い人は本当に悪質です。揚げ足取りですよぅ……っぁ!」


悔し紛れに文句を言っていたワタクシは甘い声で跳ね上がりました。


「や…草賀、さんっ……んん…」

「なんだかんだ言ってオマエこそその気じゃねーか。いつもみたいに素直な方がカワイイぞ?」


言え、と耳に吹き込まれる低い声にぞくんと震えあがります。

ああ、ダメです。

お疲れの草賀サンを煩わせるようなこと…。

でも、久しぶりの刺激に体は従順です。

それは麻薬のように、とてもガマンなど効く次元ではなくワタクシを駆り立てます。


「…………草賀さんが、欲しい……デス。」


言った途端、ご褒美のように望むものが与えられました。

快楽に呆けた表情を楽しむようにワタクシと目を合わせたまま草賀さんはエプロンの肩紐を噛んでゆっくりと外していきます。

なんて艶っぽいヒトなんでしょう。

熱っぽく、淫らな仕草や双眸にワタクシの全ては否応なく、魅せられてしまいます。





< 163 / 353 >

この作品をシェア

pagetop