恋愛の神様

ハクトさんを寝室に追いやって、ワタクシは脱走防止にリビングのソファーで寝ます。

ソファーといってもフラットにすればシングルベッドも余裕の広さですし、何より硬くもなく柔らかくもない微妙な感触が快適です。

ワタクシ用に用意された羽布団はフッカフカ

……ふふふ、一体何匹の鳥が丸裸になったんでしょう。

心地よい眠りの入り口で不意に先ほどの会話がリピートされました。


『女の子を勝手に抱っこしたりしたらヤバい人だよ?』


くっ!
あの方に常識を問われるなんて人間として終わってます…!

しかし、……あら?

簡単に手繰り寄せて抱っこ出来るワタクシは女の子の括りはないくせに、タツキさんを自分本位に触れないという事はちゃんと人間の女の子という目で見てるんですよね?


触りたいと思わないから触らない?

それとも自分本位にしてはいけない相手だと自粛して触らない……?


この二つは似ているようで全く感情が違います。

ひょっとしたらこの辺りを詳らかにすれば、何か進展があるかもしれません。

でも、それはまた明日……

だって、とても眠いんですもの。


これだけ疲れていれば夢も見ないでぐっすり眠れることでしょう。

草賀さんとあのキレイな女性がいちゃついている夢なんか見たくありません。



恋愛の神様、願わくば―――

たとえ夢でもいいので草賀さんがワタクシを愛してくれた幸せな日々をリプレイしてくださいませ………。


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