恋愛の神様

               バニーb白兎




※※※hakuto※※※


家に辿り着き、僕は何をする気にもなれなくてソファーに転がって丸くなっていた。

ずっと一緒にいてくれると思っていたピーにも逃げられた僕はお先真っ暗。

逃げるかな、と思ってはいたけれど、実際に逃げられるとやっぱり悲しい。

僕と一緒にいてくれる人なんて誰もいないんだ。


『無条件に一緒にいてくれる存在と、アナタが一緒にいてほしいと思う存在は違うんですっ!』


ウソツキ。

不意に、頭を過ったピーのセリフに僕は毒づいた。


僕はピーさえいてくれればよかったのに。
ピーしかいなかったのに。

君は逃げてしまったくせに……。


『ですからぁー!無条件に一緒にいてくれる存在と、アナタが一緒にいてほしいと思う存在は違うんですっ!!』


記憶の中のピーが、怒った顔で繰り返す。


分かんない。
分かんないよ、ピー。


『アナタは最初から『どうせいつかいなくなる』と思って、誰の事も諦めちゃってるだけです。自分の気持ちをもっとちゃんと見てください。一緒にいてくれるのが当たり前の相手ではなく、アナタ自身が一緒にいて欲しいと思う相手が誰なのか。』


そんな事言われても……。

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