恋愛の神様

服を脱いでベッド脇に無造作に落す。
次いでに野山の首元に競り上がったままの服も取り去る。

一糸まとわぬ姿はやはりお世辞にもナイスバディーとは言い難かった。

でも、適度な柔らかさと弾力があって、抱き心地はよい。

これはあくまで抱擁の意味だが、低反発ビーズクッション(人型)みたいな?
―――いやいっそ、つき立てのモチと言った方が適切か。

表現に色気はないが、癖になりそうな抱き心地だ。

サイドボードに手を伸ばし、そこから避妊具を取り出す。

その段になって、自分が結構その気になっている事を知って、ちょっと驚いた。

モチだとか何だとか散々な言いようなのに。

俺がコイツ相手にな……そう思うと何だか感慨深い。

てか、野山小鳥、やっぱ変な魔力でも持ってんじゃねーか???


「最初はキツイかもしんねーけど、ダイジョーブだから。力抜けな。」

「ぅ…んぁ…はひ…」


キツイ圧搾。
パーツをつなぎとめている糸を引きちぎってしまいそうな危うさ。

だけど。

心地よい。

それは征服欲か。


「あ……溶けちゃう、熱い…ワタクシ、溶けて、ます。」


それ、溶けてんじゃねーから……て、溶けてんのか。

俺まで訳が分からなくなりながら、ぎちぎちに詰まった中を引っかき回す。


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