恋愛の神様
「……虎徹…くん……」
互いに遠慮なく名前を呼び合うような仲になったカレ。
冷たくも見えるポーカーフェイス。
論議を交わすようになってここ最近は見かけなかったその表情に私は怯えて反射的に後退去っていた。
カレは臆する様子もなく踏み出し、私を易々と捕えた。
「なに………」
途切れた言葉。
重なった唇に茫然としてしまう。
これまでカレとはそんな雰囲気は微塵もなくて、寧ろ―――好敵手―――お互いの理論を武器に白熱したバトルを繰り広げていた相手なのに。
我に返って、私はカレを突き飛ばした。
「いきなり何するの!」
だけど、すり抜ける前に再び机に引き戻された。
「や……、虎徹、くん!…放して!」
黙れとばかりに唇が塞がれた。
深く、何度も角度を変えて、舌が口内を犯してゆく。
薄いキャミごと胸を揉まれ、カーデガンが肌蹴る。
「ぁ……んっ………」
振りほどこうとしても解けない強い男の力。
怖い。
怖いのはその瞳に映る自分の奥底に潜む願望を見てしまったから。
この眼に私は溶ける。
体が熱くなって、どろどろに溶かされる。
いつだって。