雨音、ときどき虹色。





「な、なんで?」



いきなり初対面と変わらない相手に
『八方美人でしょ?』って


意味分からない。




「いっつもニコニコ笑ってさ、
そのくせ誰とも関わろうとしてないところが。」


「………」



図星。


その通りだった。


でも、……でも



「な、成瀬くんだって、
あまり誰とも関わろうとしてない感じするけどね!!」


「…俺はお前とは違う。
俺はひとりが好きなだけ。」


「……」


「お前はただ誰にでも笑顔振り撒いて、
みんなからいい人だって思われたいだけだろ。」


「……はっ…」




……違う



そんなんじゃない



大体なんでこんなやつに勝手な憶測でこんなこと言われないといけないの



目がじん…と熱くなった気がする。




……他のひとにもこんな風に思われてるのかな





「………ごめん、用事思い出したから委員会出れない
悪いけどひとりで出て。」




私は成瀬くんをおいてその場を去った。


一刻も早くあいつから離れたかった。

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