Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


「コーヒー、入れる」
「あ、入れるの上手かったよね」
「あれは、あなたの陰謀。
 っていうか、あの時、言葉の意味を正しく理解していなかったよね」


麗華はキッチンに歩いていく怜士についていく。


ぎろりとにらまれたが、そう怒ってはいないようだ。


「まあ、あれで入れる楽しみを知ってマシーンを買ったけど」
「買ったの?」
「そう。
 あなたには気づいたら色々と操られているよな」
「光栄でしょ」
「はいはい」


投げやり気味に言いながらキッチンへ入っていった。


シェフがいたら挨拶をしたかったのだが、既に綺麗に片付いていた。


怜士が水をいれ、粉のセットを始めたのに、見惚れる。


相変わらず綺麗な流れだ。


高等部の文化祭では、あっというまにコツをつかみ、淹れていた。


あの時も思ったが、お点前をしているみたいだ。
< 115 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop