Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「コーヒー、入れる」
「あ、入れるの上手かったよね」
「あれは、あなたの陰謀。
っていうか、あの時、言葉の意味を正しく理解していなかったよね」
麗華はキッチンに歩いていく怜士についていく。
ぎろりとにらまれたが、そう怒ってはいないようだ。
「まあ、あれで入れる楽しみを知ってマシーンを買ったけど」
「買ったの?」
「そう。
あなたには気づいたら色々と操られているよな」
「光栄でしょ」
「はいはい」
投げやり気味に言いながらキッチンへ入っていった。
シェフがいたら挨拶をしたかったのだが、既に綺麗に片付いていた。
怜士が水をいれ、粉のセットを始めたのに、見惚れる。
相変わらず綺麗な流れだ。
高等部の文化祭では、あっというまにコツをつかみ、淹れていた。
あの時も思ったが、お点前をしているみたいだ。