Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


こいつらに対して、誤魔化したって無駄だ。


怜士は両手を組み合わせてデスクに肘をついた。


にやりと笑う。


「昔、手に入れ損なったものを、手に入れるために」


ボスがビジネスでこういう笑いをするのは珍しいのに、秘書たちはしばし固まった。


「え?女?」


ニコラスがポケッと呟くと、ケビンが拳骨を落とした。


「さ、忙しくなるぞ」


そう言ってフレッドはニコラスを引きずって、3人は部屋から出て行った。


怜士は口の端で笑いを作って、椅子をガラス窓へと回転させる。


そう。


忙しくなる。


これから。
< 129 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop