Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


「あぁ!」
「今晩は。
 ダバリードと申します」
「うわ」


怜士はしてやったりと、ほくそ笑んだ。


「お帰り」


さらにタイミングが悪いことに、インターホンからの声は使用人でなく、兄の宏樹だった。


「ヒロ兄、ただいま。
 じゃ、今泉」


麗華は片手をさっと上げると、正門横の勝手口から飛び込んでいった。


逃げたな。


睨んでからインターホンに向き直る。


「麗華さんを遅くまでお引とめしました。
 ご心配をおかけして申し訳ありません。
 今、門を入って行かれました」
「送ってくれてありがとう。
 生憎、両親は外出しているんだ。
 今泉君の事は伝えておくよ」


さすが評判通り、麗華の兄は飲み込みが早い。
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