Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「ま、運も実力の内だ」
「は?」
「どんな家に生まれたかっていうのは、運だし。
恵まれているんなら、それは実力ということで、最大限に利用しないとな」
「何気になぐさめてる?」
「なにが?
俺のことだけど」
くすりと笑って、鱧の天ぷらを刺した。
「あ、それ私が食べたかったのに」
「残念だね」
「く~ぅ」
麗華は後ろを振り返る。
「ああ、もう残ってないし」
「今度、食べに連れて行ってあげる」
「絶対だからね」
「ああ、約束する」
やわらかい眼差し。
麗華は目をそらせて俯いた。