Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
気にかけてくれている気持ちが伝わってくるのに、麗華は包み隠さず、事実や本心を話した。
「鱧、おいしい」
自分の話が一息ついて、箸をつけた八寸に、思わずしみじみとした声が漏れる。
「よかったね」
明らかに笑いを耐えている声で怜士は答えた。
「失礼します」
料理を運んできたのだと思ったが、怜士の顔が静まり返るように無表情になった。
ふすまが開いて顔を見せたのは、栗色の髪がくるんくるんとした、明らかに西洋人と分かる男だった。
「ボス。
すいません」
首をすくめるように頭を下げ、少々上目遣いで怜士を見上げる。
怜士は無言で片眉を上げ、用件を促した。
「ええと、また内装でトラブルが起きたそうで」
「申し訳ありません」
凛とした女性の声がして、西洋人の後ろから姿を現した。