Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
黒のパンツスーツ姿でストレートの髪を一つにまとめている。
「例の壁紙ですが、フランスの工場がストを起こし、納期が間に合いそうも無くなってしまいました」
「また?」
「至急に候補をいくつか調達しました。
選び直していただけますでしょうか。
スイートルームの分だけは、例の壁紙の手配はつきそうなのですが、その点も含めてお考えいただきたいのです」
怜士は無言のまま、彼女に視線を据えていた。
二人でみつめあっている。
麗華はその涼しい美人の横顔を眺めていた。
怜士と雰囲気が似ている顔の造りだ。
二人で並んでいて違和感が無い。
窓ガラスに映っている自分の顔に気がついて、改めて観察する。
なんか、ケバイって言うか、クドイっていうか、アクが強いって言うか。
怜士と並んでいると、マンガみたい?
怜士が身動きする音に麗華は目を上げた。