Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


「ちょっと、落ち着いて」


ミネラルウォーターのグラスをボーイから取り上げて、手渡す。


麗華が一気に飲み干し、落ち着くのを待つ。


「これで、諦めが付く?」


美和が静かに聞いた。


「今泉が肉食なの、今に始まったことじゃないし・・・。
 こういう形で諦めることはしない。
 見た相手が今の恋人か、婚約者かもしれないけど、それならそれで。
 きっぱりと区切りをつけないと」
「そっか」


美和は優しく麗華の頭を叩いた。


会場を見回す。


「とりあえず今日は帰ろう。
 今泉のあの態度じゃ、いたって無駄だよ。
 こっちと関わる気が毛頭なさそう。
 どっちかというと排除されている感じだよね~。
 まだもう一日、チャンスはあるし。
 う~ん、でもシャクだよなあ」


と言って、にやっと笑った。
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