Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
麗華にアルコールを勧められては困るということもあった。
困るというより、嫌だ。
それに関係のあった女たちが爪を立てるのも困る。
完全に避けられなくても、できるだけ守るし、相手の気力を削いでおきたい。
ぐるりと威圧的に見回すと、幾人もの女たちが微妙に視線を外す。
何かしたら、ただではおかない。
そういう気迫を漂わせておく。
「あ、私、初めてお目にかかるかも」
麗華の弾んだ声に視線の先を辿ると、NYに住んでいる“教授”と呼ばれる日本人音楽家だった。