君色-それぞれの翼-


*******

ピピッ


37.3℃



「…だるい………」

翌朝、だるくて熱を測ってみたら、案の定コレ。

休もうかと思ったけど、今日は定期考査の平常点に響く小テストが二つある。

おまけに放課後は塾。

しかも宿題が終わって無い。

「…授業中にやろ。」

あたしは頭痛薬を飲んで、いつも通り家を出た。


頭痛は少しマシになったものの、副作用でだるさは倍増し、ボーッとして頭が働かない。

(宿題…全然分かんない…)


気持ち悪くてイライラする。

授業なんて耳に入らないし、眠たい。


塾の宿題のプリントに書いてある図が歪み、あたしは伏せた。


…もう寝ちゃえ。

…でも宿題…


「いたっ………」


3限目――
薬の効き目が切れてきた。


(………もういいや…)


居辛いけど

気まずくなるだろうけど



今日は宿題を終わらせる為に早めに塾に行く。

仕方無い。

襲ってくる痛みと睡魔には勝てなかった。



「さむっ…」

帰る頃には風が一層冷たくなっていた。

生徒の半分以上が、もうマフラーを身に着けている。


明日から12月…。

仮にも11月のこの頃でさえ、気温は既に5℃を下回る。

どれだけ寒くなるのか。


ちなみにあたしはまだマフラーをつけてはいない。


首元に流れ込む冷気のせいで、更に体調を崩しそうだ。


「…頭…痛い…っ」


吐息は寒さで白かった。


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