君色-それぞれの翼-



バスを降りて直接塾に向かう。

宿題の内容が難しいだけあって、気が重い。

頭痛を和らげる為に歯を強く噛み合わせ、あたしは塾に急いだ。






久しぶりの、誰もいない教室。

息を吐いて席に着く。


こうして教室を見渡すのも久しぶりだと思いながら、プリントを広げた。


「あーもぉ…分かる訳ないしっ…」

そういえば




最近独り言が増えてきた気がする。


独り言が多い人は寂しがり屋だって、誰か言ってたなぁ…。


「…まさか。」


あたしはまたプリントと向き合うために下を向いた。


「――――っ!!」

あたしは声にならない声をあげた。


痛い…頭が痛い…


「ん―――っ!!」


もう…我慢出来そうに無い。

堪えてた分身体が熱く、寒さで震えてシャーペンが持てない。


頭痛が酷くて涙出そう――――


「いた……い…………」












「一橋?」


< 91 / 99 >

この作品をシェア

pagetop