予想外の恋愛
バタバタと帰る用意をして、朝田さんの家を出ようとした瞬間に気付いた。
「あれ?携帯がない…」
ポケットの中にもカバンの中にもベッドの上にも見当たらない。
「ねえ、私携帯どうしたっけ?」
「あ?知らねーよ。そもそも持ってきてたか?」
「うん。電話かけながらここに来たから絶対あるはずなんだけど…」
携帯を右手に握りしめたままインターホンを押そうとしたら朝田さんがドアを開けて、そのまま家の中に入ったことまでは覚えている。
「よく探したか?俺の携帯から電話かけてやるから待ってろ。どっかから音聞こえるだろ」
朝田さんが私の携帯へ電話をかけている。すると、どこかから着信音が聞こえた。
「鳴ってる!鳴ってるけどどこ!?」
「テーブルらへんだな………あ」
朝田さんがテーブルの下を覗き込んで声をあげた。
「あった!?」
「あったあった。ったく…なんでこんなとこ…に………」
「ありがとうー!…あれ?どうしたの?」
携帯の画面を見た朝田さんが固まった。
携帯からはまだ着信音が鳴り響いている。